Zama
本気で服を作り始めた。パターンから引き始めるが、まずパターン用紙のどっちが表裏か分からない。そこを調べるところから始まった。
本当に何気なく買われている「服」だけど、製造工程をスルーしすぎだな、と。俺も世の中も。
服作りを始めて「自分自身の体との対話」みたいな、よく分からないものが生まれたような気がする。
腕まわりや胴まわりなんか、自分自身の体のことなのにまったく知らない。足が太いとか、背が低いとかそういうことに執着する人はいるが、なぜMやSサイズの服が自分にぴったりなのかということに執着する人はいない。袖を腕が通るという当たり前のことにもしっかりと計算された服作りのプロセスがある。これは服を実際に作ってみないと絶対に生まれてこない思考だろう。
なぜ自分が服を作り始めたのか。
それは世の中に良い服が無いから。いや、良い服はいっぱいあるかもしれないが、自分の着たい服が無い。
コムデギャルソンの服が欲しい。でも、まったく同じ服で「コムデギャルソン」というブランドがなければ欲しいと思うだろうか。逆にユニクロの服が欲しいとはならないが、「ユニクロの服でいいか」にはなる。安く手軽に手に入るということに比重が置かれているからだ。
最近のファッションはこの2極化が激しい。安いかブランドか。という2極化。
服の価値というのは本当にそれだけなのか、という事がずっと疑問として残っていてそれを何か払拭したいと思った。自分の「労力」と「時間」を一つの価値として持った服というものを着てみたかった。
まだ完成は先だが、たぶん自分にとっては「良い服」になるような気がする。そのために服を作る。




